NTTドコモ、初値460万円。NTT、今3月期に記念配当 |
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【日刊工業新聞 10/23 1頁 1679字】
NTT移動通信網(NTTドコモ)は二十二日、東京証券取引所第一部に株式上場、注目の初値は公募・売出価格の390万円を70万円上回る460万円を付け、一時467万円まで上昇したが、利食い売りなどで伸び悩み、初日は465万円で引けた。平均株価も五日続伸して79円23銭高の1万4295円56銭で引け、「低迷する株式市場のカンフル剤」(大手証券)となった。 日本電信電話(NTT)は二十二日、NTT移動通信網(NTTドコモ)の保有株式売却にあたって記念配当や自社株消却などの株主還元策を実施すると発表した。 具体的には売却益3900億円(税引き後)のうち(1)800億円を使って99年三月期の期末配当で1株あたり普通配当2500円に加えて5千円の記念配当を行う(2)1200億円相当の自己株式を取得する(3)1900億円を財務体質の強化のために内部留保に回す。 一連の株主還元策は来年六月下旬に開催予定の定時株主総会で了承を得てから実施する。 (1面参照)NTTではドコモ保有株のうち21万8千株の売却を予定。 1株390万円で売却した場合に8500億円の売却益(税引き後3900億円)が見込まれる。 これを原資に1200億円相当の自社株消却を行うのは株式市場の需給改善につなげる狙いが大きい。 取得株式数は1株100万円とすると12万株になり、これは株式総数の0.75%に相当する。 NTTでは「株価の影響を考慮すると0.75%から1%が適当」との見方をしている。 ただ、自社株消却を行うことで政府のNTT株保有率は結果的に上昇することになり、NTTが政府保有株放出の働きかけを通じて進めてきた完全民営化路線と矛盾することになる。 このためNTTでは大蔵省のNTT保有株も買い入れの対象にできないか大蔵省や郵政省と近く交渉を始めることにしている。 ドコモ株売却に関連してNTTでは99年三月期の業績見通しを修正した。 NTT本体やドコモ・パーソナル各社の収支見直しも影響して、修正後の単独決算(カッコ内は前回見通しに対する修正額)は経常利益2590億円(260億円減)、当期利益4340億円(2810億円増)。 なお営業収益は6兆3650億円で修正前と変わらない。 NTTドコモの立川敬二社長の会見要旨は以下の通り。 ―上場と460万円の初値の感想を。 「晴れて一人前の会社になれた。 大変ありがたい値段になり、予想以上の資金調達ができた」―NTTパーソナルから引き継ぐPHS事業についてどう考えていますか。 「コンピューター通信や位置情報など特徴を生かせば事業として成り立つ。 来年度には毎秒64キロビットの伝送も可能になる。 音声より非音声通信が有効だ。 ただ、64キロビット以上は行わない。 今年度の残り4カ月に100億円を投資する。 3―5年以内の単年度黒字を目指す」―次世代携帯電話についてはどうみていますか。 「ネットワーク整備を2000年から東名阪などから始め、需要をみながら約10年で構築する。 料金は一加入約20万円を想定。 2005年には約6千万台加入を予想しているが、非音声の利用者は現在の1%から15―30%に増える。 (欧米で対立している標準化は)前向きにとらえている。 メーカーでなく利用者のために行うことが大切。 欧米の通信事業者と協力して積極的に進めたい」―ドコモ上場による株式市場への影響をどうみていますか。 「二十二日はドコモの取扱額が市場の半分を占め、そのほとんどが従来の取引からの乗り換えでなく、上乗せだと聞いた。 その分資金が東証に入り込んだ。 個人株主も多く、タンス預金を引き出したのでは」―株主還元は。 「安定したサービスを提供するため内部留保も行い、着実な成長を図りながら還元していく。 当初の配当は1株3千円だが、今後は業績をみて決めたい。 (記念配当も)考えたい。 個人株主のため株式分割も検討する」NTTドコモが二十二日発表した99年三月期の連結業績予想は売上高3兆60億円(前年度比14.5%増)、経常利益2720億円(同12.7%減)、当期利益1840億円(同52.5%増)。 |
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